狭小住宅とは、「狭小地」と呼ばれる面積の小さい土地に建つ家を指します。ただし、狭小地に大きさの決まりはなく、15～20坪ほどか、それ以下の土地であることが一般的です。狭小住宅という言葉から、狭くて生活しづらい印象を受けることもあるかもしれません。しかし、厚生労働書の提唱する「最低居住面積水準」によれば、健康かつ文化的な生活に必要な土地の広さは、2人世帯で約9.08坪、3人世帯で約12.1坪です。つまり、狭小地でも快適な家づくりは充分可能といえるでしょう。
また、とくに都市部ではコンパクトな住まいが注目されており、国土交通省の発表によると、首都圏や近畿圏における新築住宅の床面積はここ20年ほど減少傾向にあります。

参考元：厚生労働省｜住宅基本計画における居住面積水準
参考元：国土交通省｜令和5年度 住宅経済関連データ

狭小住宅を建てる際、快適な住まいにするためには間取りの工夫が欠かせません。ここでは、狭小住宅の間取りで意識したいポイントをまとめました。

居住スペース確保のため、狭小住宅は二階建て以上が一般的です。キッチンや洗濯スペースなど、生活・家事動線を意識し、上下階の移動を極力減らせる工夫を要します。例えば、洗濯スペースと収納場所をコンパクトにまとめるなど、無駄を省いた間取りを心がけましょう。

狭小地は、周辺に高い建物があったり、隣の家との距離が近かったりと、日当たりや風通しがよくない場合があります。そのため、採光の工夫が必要です。室内に自然な明るさと開放感をもたらす天窓は、採光対策になるうえ、近隣からの視線も気にならないことから、プライバシーの保護にも役立ちます。

狭小住宅は、その狭さから収納スペースの確保も重要な課題です。階段下や屋根裏といった空間を活用すれば、生活に必要な空間を減らさず収納スペースを確保できます。とくに屋根裏はロフトにもなり、ある程度の広さが確保できるため、優れた収納力を発揮するでしょう。

狭小住宅を建てる際、駐車スペースを要する場合もあります。そこでおすすめなのが、住まいをガレージハウスにすることです。ガレージハウスとは、住宅の間取りに駐車スペースを組み込んだ家を指します。一階部分にビルトインガレージを設計し、二階以上のフロアを居住スペースとすることで、狭小地でも駐車スペースを作れるのです。

工夫次第で快適な暮らしが充分叶う狭小住宅には、狭い土地に建てるからこそのメリットとデメリットがあります。ここでは、マイホームを狭小住宅にした際に考えられるメリット・デメリットを詳しく見ていきましょう。

敷地面積の小さい土地に建てる狭小住宅には、以下のメリットがあります。

・駅近の好立地に家を建てられる
・土地代のコスト削減が叶う
・固定資産税やメンテナンス費を抑えられる

狭小地は都市部や駅に近いエリアで見られることが多く、利便性の高い地域にマイホームを建てられる可能性があります。敷地面積が小さいことから、土地購入費の削減にもつながるでしょう。さらに、200㎡、つまり約60.5坪以下の小規模住宅用地では、課税標準額が価格の6分の1になる特例措置が設けられています。そのため、固定資産税も抑えられるのです。
加えて狭小住宅では、外壁や屋根の面積も小さいことから、メンテナンス費用も安価で済むでしょう。

参考元：国土交通省｜【参考1-1】用語の定義1）小規模「住宅用地」

＞＞参考コラム：【八尾市】一戸建て住宅の維持費はどのくらい？光熱費や修繕費、維持費削減のコツなど

狭小住宅は、小さな土地に建てるための工夫により、以下のようなデメリットが生じる可能性があります。

・建築費が高くなる傾向がある
・階段による移動が増える
・冷暖房効率が下がりやすい

狭小住宅を建築する際、階層が多くなることで建築部材が増える傾向があります。そのため、材料費の増加にともない建築費用が高くなる可能性があります。また、狭小住宅は三階建ても少なくないため、上下階を移動する機会も増えるでしょう。
さらに、スキップフロアで高さの異なるスペースを設けたり、吹き抜けを採用したりと、空間を有効活用した間取りの場合、室内の空気が移動しやすくなり冷暖房効率が下がることも懸念されます。住宅の断熱性と気密性を高めておく必要があるでしょう。

プライムライフでは、高断熱・高気密にこだわった家づくりをおこなっています。

＞＞参考コラム：八尾市の注文住宅にかかる費用はどれくらい？建築相場や坪単価をご紹介
＞＞参考コラム：八尾市の注文住宅で気になる性能とは？地域の特性に応じた家づくりを解説

ここからは、八尾市の環境や土地坪単価から家づくりについて考えてみましょう。八尾市内は、アリオ八尾やアクロスプラザ八尾といったショッピングモールの他、ドンキホーテ八尾店などの買い物施設が充実しています。また公共交通機関も、JR八尾駅・久宝寺駅、地下鉄八尾南駅、近鉄八尾駅などがあり、各地へアクセス可能です。そのため、生活の利便性が高い地域といえるでしょう。

国土交通省の発表した地価公示によれば、大阪府は2022年から2024年にかけて、住宅地の地価が上昇しています。八尾市においても、多くのエリアで公示地価が2023年より上昇しました。なかでも、近鉄八尾駅や河内山本駅周辺では、坪単価が70万円前後かそれ以上になる土地が見られます。JR八尾駅でも同様に、駅から1km以内に位置する土地で、より坪単価が高い傾向があるのです。
2023年度の住宅経済関連データでは、大阪府における一住宅当たりの延床面積は、およそ23.3坪と、全国的に見て小さいことが示されています。八尾市でも、生活の利便性が高く、土地坪単価が上昇している場所では、狭小住宅を検討する余地があるでしょう。

参考元：八尾市｜交通アクセス
参考元：国土交通省｜令和６年地価公示の概要
参考元：国土交通省 不動産情報ライブラリ｜国土交通省地価公示・都道府県地価調査の検索
参考元：国土交通省｜令和5年度 住宅経済関連データ

＞＞参考コラム：八尾市の土地価格・相場は？今後10年の価格推移も予想！注文住宅を建てる際の土地選びのポイント

最後に、八尾市周辺でプライムライフが手がけた狭小住宅の施工事例を紹介します。

スタイリッシュでオリジナリティのある外観にこだわった狭小住宅です。敷地面積は22.75坪。採光対策として南側に設けた四連の突き出し窓は、人の目線より高い位置に配置することで、プライバシー保護に役立っています。考え抜かれた動線設計のもと、玄関土間やキッチンパントリーといった形で収納スペースも確保しました。

一階にビルトインガレージを設けた、敷地面積24.42坪の三階建て狭小住宅です。ガレージにはアウトドア用品などの収納の他、家族団らんに利用できるスペースも設けました。LDKは二階に配置。吹き抜けを採用することで、開放感のある明るい空間になっています。

＞＞施工事例：アウトドア好きな家族のガレージハウス

利便性の高い地域に低コストでマイホームを建てたい方は、狭小住宅を検討してみましょう。快適な狭小住宅を建てるうえで、間取りの工夫は欠かせません。プライムライフは、暮らしやすさとデザイン性の両立に自信があります。家事動線はもちろん、家族構成や趣味など、それぞれが大切にしたいことを踏まえ、理想の住まいを実現します。八尾市周辺で高性能な注文住宅をお考えの方は、是非プライムライフへご相談ください。